初めから素直に言えばよかった
部屋から出たら、珍しく誰もいなかった。
普段なら井ノ原と健、遊びに来ている剛と最近やんちゃ盛りの准一が騒いでいるのだが。
「・・・・・・・・・・・めっずらし」
坂本はそう呟いて、そしてもっと珍しいものを見つけた。
「・・・・・・・・うっわー・・・・・・・・・・・・・・・・今日は雨じゃねーか・・・・・?」
そう言いながらソファの上で熟睡してしまっている長野を覗き込んだ。
「・・・・・・・・・・・・寝てれば大人しいのになぁ・・・・・・・・・・・・」
小さく呟きを漏らして、小さく笑う。
何か被せてやろうか
そう思い、部屋の周囲を見渡す。
そして准一が昼寝に使っていたタオルケットを見つけて、それを取りに行こうとした時、服が引っ張られた。
「お?」
「・・・・・・・・・・・・・・待ちくたびれたんだけど」
少し不機嫌そうな、眠たそうな声で文句が飛んでくる。
「いつから待ってたんだよ」
「・・・・んー・・・・・・・俺が来た時准一が昼寝した後だった」
「そりゃお待たせしました」
大分待ったんじゃねぇの、と訊きながら、坂本は身体を起こした長野の横に腰掛けた。
「どうしたんだよ。いつもは待たずに帰るじゃねーか」
「今日は特別」
「特別?何が」
首を傾げた坂本に、しかし長野は言いづらそうに視線を逸らす。
「・・・・・・・・・・何だよ」
「はい」
そして長野は長方形の箱を坂本に手渡した。
「じゃあ帰るね」
「は?何だよ、これ」
「あげるって」
「いや、そうじゃなくて」
「いいからあげる!」
「待てよ、長野。訳わかん」
「誕生日だからあげるって!!プレゼント!!」
去っていこうとする手を掴んで引きとめた坂本に、長野はそう声を上げた。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・っ何だよ!!」
沈黙する坂本に向かって、顔を真っ赤にして長野が怒る。
「だって松岡がお土産にこれ持ってけって言うから!!
井ノ原もちょうど今日誕生日だって言ってたし、これアンタ好きなんだろ!?
だからあげただけで、別に俺がわざわざ探してきて、買ったわけじゃ」
「ありがとう」
「ないから・・・・・・・・・・・・・・・・え・・・・・・・・・・・・?」
予想外の言葉に、今度は長野が固まった。
「ありがとう。メッチャ嬉しい・・・・・・・・・・・・・」
にやけてくる口元を手で覆い隠して、坂本は長野にそう言った。
「・・・・・・・・・・べ、別にアンタのためにしたわけじゃないよっ」
「それでもいい。嬉しい」
もう隠すことも止めて喜ぶ坂本に、長野は赤いまま顔を背ける。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おめでと」
「うん。ありがとう」
照れくさそうな長野の言葉に、坂本が嬉しそうにそう答えた。
36歳ですか?リーダーと同い年になったんですねー。
これからも舞台にテレビに歌手に、頑張ってほしいですが、無理だけはしないでくださいねv
とにかく、坂本さん、誕生日おめでとうございました!(ました?)
2008/04/13
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