初めての
「准ちゃ〜ん」
名前を呼ばれたことに気付いたのか、ソファで一人絵本を読んでいた准一は声のする方を振り返った。
「いのっちやー」
そして呼んだ人物を確認して、嬉しそうに笑う。
「准ちゃん、いいものあげる」
その反応にニコニコと笑いながら、井ノ原は小さな箱を差し出した。
「はこー?」
「中身もちゃんとあるよ。それはね、松岡から」
「まつおかくんがくれたん!?」
「そだよー。今度あった時にお礼言おうね」
「うん!あけてええ?」
「良いよ」
井ノ原が許可すると、目を輝かせながら箱を開け始める。
「・・・・・・・・・・・うわあ!!ケーキだ!!」
そして箱の中を覗きこんで、嬉しそうに声を上げた。
「え!?嘘!!ケーキなの!!?」
その声に、井ノ原が驚いて箱の中を覗きこむ。
「ホントだよ!!!何あの子!!俺が頼んでも作ってくれないのに!!ヒドイわ!!」
悲劇の少女的な体勢でしくしくと泣き真似をする井ノ原。
「お、どうしたんだ、それ」
その時、部屋に入ってきた坂本が准一に声をかけた。
「あ、あんな!まつおかくんがケーキくれたん!!」
ソファを覗き込んだ坂本に、准一が嬉しそうに説明する。
「そうか、今日誕生日だもんなぁ」
「たんじょーび?」
「そう、准一が生まれた日」
准一の横に座り、おめでとう、と坂本が笑うと、准一の顔がさらに輝く。
「今度松岡にお礼言いに行こうなー」
そう言って准一の頭をわしゃわしゃ撫でる。
「うん!!」
嬉しそうに、元気いっぱいに准一は頷いた。
「・・・・・・・っ!坂本君のバカー!!」
そして途中から一人取り残されていた井ノ原は、泣きながら部屋を出て行く。
「何だ、あれ」
振り返った坂本は、小さくそう呟いて首を傾げ、准一は目をキラキラさせて箱の中身を眺めていた。
おめでとうございます、岡田さん!
ウチのサイトではここでしか活躍しておりませんが、アナタのことは結構好きです。
これからも演技に歌に、がんばってくださいね!
2008/04/13
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