「どうするつもり?」
その言葉に顔を上げた。
こちらを向いていたのは引き吊った笑顔と銃口。
「もし、太一君がこのまま行くなら、俺は引き金を引かなきゃいけない」
半分の月が辺りを照らす。
下から吹き上げる風がジャケットの裾を巻き上げる。
遠くでクラクションの音が聞こえた。
地上では渋滞が起きている時間帯だった。
「お前、よくこんな所まで追ってこれたよなぁ。高いとこ、ダメだろ?」
彼がそう笑うと、彼に銃口を向ける青年の表情が歪んだ。
「・・・・・・・・・・そんな事、どうでも良いよ」
真っ青な顔が足下で輝くネオンサインの僅かな光に照らされて、石膏のようだ。

ギリシャかどっかの彫刻みたいだ。

彼のその考えは撃鉄を起こす音で遮られた。
「裏切りは許されない」
「・・・・・・・・・・なぁ、松岡」
銃口は彼の眉間を向いている。
距離は数メートル。
確実に、鉛の玉は彼の眉間を打ち抜くだろう。
それでも彼は動揺さえ見せず、微かに揺らぐ青年の名を呼ぶ。
「許すも許さないも、誰がそれを決めるんだろうな」
曖昧な笑みを浮かべながら、青年に向かって、1歩踏み出した。





(回想シーン)





「誰の命令だ」
「・・・・・・・・・・」
「リーダーだろ?」
青年は答えないが、頬が微かに痙攣した。
「良いこと教えてやる」
ニヤリ笑いながら、彼はさらに1歩踏み出す。
「裏切り者はリーダーだ」
パスン、と、空気の抜けるような音がした。
彼の頬に赤いラインが短く引かれる。
「・・・・・・・・・・サイレンサー」
「人に来られたら困るから」
もう一度






以上です。
力尽きた&ネタが尽きたのでここまで書いて廃棄しました。
もったいないので一応ここに。



2007/10/4




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