広大な屋敷の比較的奥の方。
その屋根の上を、小さな白い生き物が歩いている。
それは猫ぐらいのサイズ。白い毛の狐だった。
しかし、それは普通のものとは違い、尻尾は二又。
彼は軽く伸びをして、身も軽く屋根の下に降りる。
そのまま着地点目の前の廊下に上がり、少し進んだところにあった襖を器用に開ける。
部屋の中には家具は少なかったが、床にはいろいろなものが散らばっていた。
机とタンスとベッドがあって、そのベッドの中心では布団が丸く盛り上がっている。
彼は勝手知ったる様子で部屋の中に進み、ベッドに飛び乗る。
そしてその盛り上がりの傍で座り、そのまま丸くなった。



* * * *



しばらくして、廊下がドスドス鳴る。
足音の主はこの部屋に近付いて来ているようで、だんだんと音が大きくなっていく。
そして、スパーンと音を立てて、襖が全開になった。
「さっとしく〜ん!!起っきてー!!」
テンションの高い声が部屋の主を呼ぶ。
ウトウトしかけていた彼は、不愉快そうに耳を立てて、声の元を見る。
【・・・・・・・・・・・・うるさいよ、相葉ちゃん・・・・・・・・・・・】
彼は文句を言ったが、相葉は構わず起きてと大声で叫びながらカーテンと窓を開けた。
「もー!ニノ、いるんだったらキャプテン起こしてよ!今日は試験なんだから遅刻できないの!」
【いつもセーフなんじゃないの?】
「今日は試験だから大目に見てくれないんですよー」
と言いながら相葉は掛け布団の端を掴んだ。
彼はその後を予想して、軽やかに布団から降りる。
「ほら!!起きてキャプテン!!」
彼の予想通り、掛け布団が派手に捲られた。
「キャプテン!!!?」
相葉が驚きの声を上げる。
そこにいた、もといあったのは、部屋の主の形をした式紙。
同時にそれは紙で作られた人形に戻る。
「アレ?何か書いてない?」
彼はヒトの姿になって人型を取り上げた。
そして相葉にそれを手渡す。
「なになに・・・・?・・・・『俺は眠たいからサボる。後はよろしく』・・・・って、えぇ!!?」
相葉は咄嗟に合図を出した。
仲間内にしか判らないそれを聞きつけて、櫻井と松本がどこからともなく現れた。
「どうしたの!」
「何があったんだよ!?」
「キャプテンが逃げた!!」
「「何だってぇ!!!?」」
相葉の言葉に櫻井と松本が顔色を変えた。

そして、いまいちやる気のない二宮を引っ張って、4人はあわあわと部屋の主を探し始めた。



* * * *



「いた!?」
「いねぇよ!!」
「・・・・・・・さすが茂君の血縁だ・・・・・・・」
一度集合して状況を報告しあう4人。
しかし松本が何も言わない。
「あれ?松もっさん、さっきから黙ってるけど、どうし・・・・」
それに気付いた櫻井が声をかけて、固まった。
つられて松本を見た相葉と二宮も固まる。
「・・・・・・・・・・・・・・あの野郎・・・・・・・・・・・・・・・・」
ボソリ、呟いた松本の背後には、黒いオーラが揺らめいていた。
そして天井に向かって、目を怒らせて叫んだ。
「大野智ぃ!!!出てきやがれこの野郎!!!出てこなかったら××××を××××××して×××するぞ!!!」
その台詞が屋敷中に響き渡る。
3人が、ドSだ、と思った瞬間、4人の目の前に大野が降りてきた。
「・・・・・・・・・・・ゴメン・・・・・・・・もう二度としないから許して・・・・・・・・・・・・」
怯えきった様子で土下座する大野に、松本が睨みを効かせる。

その様子を櫻井、相葉、二宮の3人は、呆れながらも少し距離を置いて眺めていた。




気象さんたち難しい・・・・・・・・・・。
大野さんと相葉さんは部屋が乱雑なイメージなんですが、実際はどうなんでしょうか。

2007/06/26

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