早く、強くなりたい
t h e r i g h t m a n i n t h e r i g h t p l a c e
ただいま、と、帰ってきた瞬間、いきなり泣き崩れた松本に、櫻井は雑誌を投げ捨てて近寄った。
「どうした松潤!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何で私、あんな人に・・・・・・・・・・」
松本は、その凛々しい造作に反して、悲劇のヒロインのような女性的な体勢をとり、しゃくり上げながら小さく呟く。
ふと理由に思い立って、櫻井は途方にくれた。
「・・・・・・・・・・あちゃー・・・・・・・・・・今智君も相葉ちゃんもいねーのに・・・・・・・・・・」
泣き続ける松本に、櫻井はため息をついた。
松本はどこかに出掛けて帰ってくると、こういった状態になる。しかも頻繁に。
何故なら彼は超霊媒体質で、道すがら出会う全ての霊を拾ってきてしまうという変わった体質の持ち主だからだ。
我が強いわりには意識を奪われやすく、
幽霊屋敷とか妖怪屋敷とか呼ばれている城島本家(自宅)に帰ってくる度に奇異な行動をとってしまう。
不思議と家の外では意識を奪われることはないのだが、その度に大野や相葉に祓ってもらっていた。
「・・・・・・・・・・どうしよ・・・・・・・・・・」
しくしく泣き続ける松本を目の前に、櫻井は困った様子で手を出せずにいる。
実は櫻井は、松本と全く逆の性質を持っていた。
超霊媒体質の松本とは対照的に、櫻井は完全な霊的不感症なのだ。
だから幽霊も何も見ることはもちろん感じることさえもできない。
反面、そういったものの影響を全く受けないという得な点もあるのだが、逆に影響を与えることもできない。
「・・・・・・・・・・俺じゃあ智君みたいに追い出すことはできないんですけど・・・・・・・・・・」
うぅんと唸り、櫻井は頭を抱える。
その時、松本が泣きながら何かを呟いていることに気付いた。
「・・・・・・・・・・ん?まつもっさん、どしたの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「どうした?言ってみ?」
その言葉に松本は顔を上げ、涙に濡れた目を櫻井に向ける。
「・・・・・・・・・・貴方誰・・・・・・・・・・?」
「う〜ん。貴女の名前訊かないから、俺の名前も訊かないってことにしようよ。
ねぇ、悲しいんでしょう?今ここには俺しかいないからさ、全部話しちゃいなよ。全部聞いてあげるから」
「・・・・・・・・・・」
「話せばスッキリするからさ」
櫻井は柔らかく微笑んで、松本の横に腰を降ろした。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・夫が浮気をしてて・・・・・・・・・・」
「うん」
昼ドラかと内心ツッコみながら、ポツポツと話し始めた『彼女』の言葉に相槌を打つ。
話すにつれてはらはらと涙を流し始めた『彼女』の肩に櫻井は腕を回し、頭に手を乗せた。
「・・・・・・・・・・それは悲しいよなぁ」
そう呟いて、『彼女』の頭を、ポンポンと軽く叩く。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
『彼女』が安堵の声を上げた。
「・・・・・・・・・・ありがとう」
松本の身体を借りて、『彼女』は微笑んだ。
「どういたしまして」
それを受けて、櫻井も微笑み返す。
その時足音がして、部屋の中に誰かが入ってきた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1人で帰れますか?」
声に顔を上げる。
松本の正面には城島がしゃがんでいた。
「えぇ」
「じゃあ途中まで見送らせてください。なぁ、櫻井」
「・・・・・・・・・・は、はい!」
急に自分に話が及び、うんうんと首を縦に振る。
「どうぞ」
城島が松本の手を取り立ち上がるが、松本の手は城島からすり抜けてしまった。
けれど城島の手が何かを掴んでいるのを櫻井には確認できた。
それが何かを視ることは出来なかったけれど。
「お気を付けて」
そう言って城島が手を開く。
櫻井には何が何だかよく解らなかったが、とりあえず城島の向いている方向を見ておいた。
「もう逝ったで」
苦笑を浮かべながら城島が自分を見ていることに、声をかけられて初めて気付く。
「まぁしゃあないやんなぁ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
そう言った城島に、櫻井は何となく気恥ずかしくなって俯いた。
「でも櫻井はそのままでえぇねんで?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・でも、俺何にもできないですよ・・・・・・・・・・」
「そんなことないよ。今やってちゃんとできたやろ?」
「・・・・・・・・・・え?」
「松本頼むなぁ。ところで、大野は?」
城島の発言の意味が解らず固まる一方、城島が部屋の中をキョロキョロしてそう訊いた。
「あ、智くんは今日居残りで・・・・・・・・・・」
「居残りて、また何したん」
眉を寄せる城島に、櫻井はしまったという表情を浮かべる。
「何してん?」
にっこりと、最上級の笑顔が迫ってきて、恐怖に顔が強張るのが分かった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・数学で・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・赤点を・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・ほぉ、そぉかぁ。赤点なぁ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まさか櫻井は取っとらんよなぁ?」
「と、取ってない、です・・・・・・・・・・」
きれいな笑顔で言い寄られて、櫻井は引き吊った笑顔で答える。
言えない。まさかギリギリで赤点を回避しただなんて。
内心そう思いつつ、城島の言葉を肯定した。
「帰ってきたら説教やな〜。それにしても、お仕事入れすぎやった?」
勉強する暇無い?と首を傾げる城島に、櫻井は乾いた笑いだけを返しておいた。
「今回の辞めとこかな」
「え!?仕事ですかっ!?」
しかし城島の呟きに、跳ねるように飛び付く。
「やりたいん?」
「やりたいです!やらせてください!」
「分かった分かった。やったら5人揃ったら僕んとこおいで。説明したるから」
苦笑を浮かべながら城島がそう言うと、櫻井は嬉しそうに頷いた。
「それじゃあ僕は戻るなー。あ、そういえば、相葉に伝言してもろてえぇ?」
縁側に出た城島が、草履を履きつつ振り返る。
「いいですよ。何ですか?」
「“ええ加減にしとかんと追い出すで”って言うといてー」
「はーい・・・・・・・・・・・・って ええ!?相葉ちゃん何したんですか!!?」
「うん。まぁそれは想像に任せるわー。じゃあまた後でなー。
実は昨日まで風邪にやられててん。うるさいのが3人もいてるから、長いことおったら怒られてまうわ」
そう言って城島は縁側から母屋の方に戻っていく。
最後の発言に、同居人が何をしたのかも気になったが、早く戻ってくれてよかったと胸を撫で下ろした。
「ぅ・・・・・・・・・ん・・・・・・・・・?」
シーツの衣擦れの音とともに小さな声が聞こえて、二宮はベッドの方を見た。
「あ、潤君起きた?」
「え・・・・・・・ニノ?」
「気分悪くない?多少は浄化できてると思うんだけど・・・・・・・・」
心配そうな口調で覗き込む二宮に、松本は頭を掻きながら起き上がる。
「またか・・・・・・・・」
「今回は翔君が何とかしてくれたみたいですよ」
「翔君が?」
二宮の報告に、ベッドから降りかけていた松本が驚いた様子で声を上げた。
大丈夫だと判断したのか、二宮は携帯ゲーム機の方に視線を戻す。
「まぁ、状況判断なんだけどね。帰ってきたら翔君しかいなかったし」
「何か方法見つけたのかな・・・・。でも、翔君といるとあんまりトランス状態にならないんだよね」
「・・・・・・・・霊的不感症なんじゃなくて、何かあるんですかね?潤君と間逆な」
「寄せ付けないってこと?」
「さぁ?そういう可能性もあるってことですよ。俺は聞いたことないですけどね」
肩を竦めながら、それでも画面から目を離さない二宮に、松本はこっそり肩を竦める。
「そういえば今夜お仕事だって」
「そうなの?」
「茂君とこに説明聞きに行かなきゃ。キャプテンと翔君は先に行ってますけどね」
そう笑いながら、二宮はゲームの電源を落とした。
「え?何で?」
「ほら、数学で赤点取っちゃったでしょ、キャプテン。怒られてるみたいですよー」
「こえー・・・・・・・・・。俺絶対赤点取らねぇ」
笑いながら2人で部屋を出る。
ちょうど正面の部屋に相葉が入るところだった。
「あ、相葉さん」
「ただいまっ。・・・・・・・あれ?松潤、またあった?」
二宮の呼びかけに満面の笑みで答えた後、相葉は松本を見て首を傾げた。
「うっせ」
ムスッとした返答に、相葉はわざとらしく怖がってみせる。
「や〜ん、松本様が怖い〜」
「もっと怖いこと教えてあげましょうか?」
「え?なに?」
ニヤニヤ笑う二宮に、相葉は期待に満ちた顔で二宮を見た。
「翔君が茂君から預かった伝言を預かってるんですけど、聞きたい?」
「うん」
相葉が頷く。松本も興味を持ったらしく、二宮を見ている。
「“ええ加減にしとかんと追い出すで”だって」
「・・・・・・・・・・・・」
「はぁ!?何したの、相葉ちゃん!」
松本が整った眉を片方だけ跳ね上げて、声を上げた。
「えぇぇぇ!!?やっばい、どうしよう!!!この間の実験が不味かった!?」
眉間にシワを寄せて悩む相葉に、松本がゲラゲラ笑う。
「今度何したの」
「えー?ヒミツですー」
相葉も笑いながらそう答え、部屋に入ろうとした。
「あ、相葉ちゃん、今日仕事あるって。今から説明聞きに行くから、準備できたら玄関来て」
「はーい」
「5分しか待たねーぞー」
「潤君ヒドーイ」
泣き真似をしながら部屋の中に入っていく相葉。
松本が笑いながら玄関に向かって足を勧めた一方で、二宮は冷めた目で閉まった扉を見ていた。
(今一瞬、誰か殺しそうな目をしてましたよ、あのヒト)
一番怖いのは人間ですねぇと小さく独り言ちながら、二宮は松本の背中を追った。
『某富豪の別荘で怪奇現象が起きている理由を探ること。ただし解決できそうなら解決して良し』
「どう?ニノ」
「う〜ん、クッサいですね〜。ナマモノの臭いがプンプンします」
鼻を摘みながら二宮が眉間にシワを寄せた。
「氷焔に調べさせたんだけど、最近この家ででっかい蛇が出たらしいよ」
「え?それどうしたのさ」
人気のない屋敷の中は、大きな窓から入り込む月明かりだけが照らして、振り返った松本の険しい顔を更に強調していた。
「もしかしてやっちゃった?」
「せいか〜い」
ピンポーンとリズミカルに言いながら相葉がケラケラ笑う。
「ってキャプテーン!何か喋ってよ!キャプテンでしょ」
「・・・・・・・・・・・・んー・・・・・・・・・・・」
明らかに落ち込んでいる様子で、先ほどから全くしゃべらない大野に、4人は顔を見合わせる。
「智君、茂君、そんなに怖かった?」
「あれ?翔君も一緒に行ったんじゃないの?」
「や、俺別の部屋にいたもん。ねぇ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
櫻井が心配して覗き込むが、大野は目を逸らすばかり。
けっしてあの当主を怒らせてはいけない。
そう4人が思っていると、不意に空気の質が変わった。
「え?今何時?」
「草木も眠る丑三つ時〜」
「?何かあったの?」
険しい表情を浮かべる4人を、櫻井がキョトンとした顔で見る。
「空気が重いの。ちょっとしんどい感じ」
「・・・・・・・・・・そうなんだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・これは相葉ちゃんが言ってた蛇だと思うけど、当主から聞いた状況は違うと思うなぁ」
「ポルターガイストにラップ音だっけ?やたらと不幸が多いみたいな話も聞いたけど」
「そっちは蛇が原因じゃないと思う。蛇は最近のことでしょ?」
「1週間くらい前みたいだよ」
相葉が答えると、大野は廊下の向こうを眺めて黙り込んだ。
「その蛇、この家の守り神だったみたいだな」
松本が周りを見回してそう呟く。
「え?」
「今声聞こえなかった?」
「聞こえた?」
「ううん。多分、松潤は口寄せできるから、ちょっと寄せ付けてるのかも。
じゃあ、松潤は翔君と本当の原因探ってくれる?ちょっと心配だからニノは2人についてもらって。
で、俺と相葉ちゃんで、とりあえず蛇だけ鎮めちゃおう。蛇の力が強すぎて、原因が判んないや」
普段と違って、少しイライラしたような口調で大野が4人に指示を出す。
「翔君、松本さんのことお願いします」
「え?」
「ニノもいるけど、いざとなったら翔君が頼りだから。じゃあ相葉ちゃん、行こう」
大野の言葉に櫻井が呆然としているうちに、大野は相葉を連れて廊下の奥に進んでいってしまった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・俺、今回当てに出来ないんじゃないの?」
「キャプテンなりの考えがあるんじゃないんですか?」
いつものこと、といった様子で二宮が肩を竦める。
「潤君、さっき言ってた蛇さん以外の何か感じる?」
「う〜ん・・・・・・・・・。あっちの方かな・・・・・・・・・・」
眉を寄せながら、松本は2人が消えた方とは逆の方向を指差した。
「じゃあ行ってみましょっか。別に俺らが解決する必要もないわけですし」
そう言って歩き出した2人を、納得いかないまま、しょうがなく追いかけた。
「ねぇ、相葉ちゃん」
不意に足を止めた大野が、先を歩く相葉に声をかける。
「え?何々?キャプテン」
「訊きてぇんだけど」
「うん」
相葉が笑顔で傍にやって来ると、大野は相葉の左胸辺りを指差して、言った。
「そのヒトガタ、誰?」
瞬間、相葉が固まる。
「まだ未完成だよな。でもちゃんとした呪具でしょ。誰に頼まれて、誰を殺すつもりなの?」
表情は普段と変わらないが、眼光だけが鋭く相葉を貫く。
「返答によっちゃ、俺、茂君に抗議に行くけど」
その言葉に口の端が上がりそうになるのを抑えながら、10cm近く下からの視線を見返した。
「誰から頼まれたのかも、誰を象ってるのかも言えないけど、茂君じゃないことは確かだよ」
「何で言わねぇの」
「だってキャプテンなら呪詛返しできるでしょ?」
「やらねぇよ」
「それにもう遅いよ。発動まであと・・・・・・・・1時間くらいかな」
今晩のメニューを言うくらいの軽さで、相葉は時計を見て言った。
「今さら止めないし、止めれないよ。今止めたら全部返ってくるんだよ?俺はまだ死にたくないし」
「なら・・・・・・・・・・・なら何でそんなことするんだよ!」
突然大野の上げた声に相葉は目を見開いた。
「相葉がそういうことしてきた血筋だろうと、相葉ちゃんがそんなことする必要ねぇじゃん!
それに、俺はそういうことはヤダって言っただろ!何でするの!?」
ヒステリーを起こしたように声を荒げる大野に、相葉は笑いを堪えている状況じゃないと慌てだす。
「ちょ、え、待って!どうしたの、キャプテン!?」
「どうしたもこうしたも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あー・・・・・・・・・・・・・・・・どうしたんだ、オイラ・・・・・・・・」
再度声を上げようとして、大野は頭を左右に振った。
「・・・・・・・・う〜・・・・・・・・何だこりゃ・・・・・・・・・・・・・変な感じ・・・・・・・・・ゆーれーじゃない・・・・・?」
「幽霊じゃない・・・・・・・?」
額を押さえてしゃがみ込んでしまった大野の呟きに、相葉は首を傾げる。
「キャプテン、キャプテンっ、大丈夫?」
「・・・・・・・何か気持ちわり・・・・・・・」
「えっ!?吐きそう!?どうしようっ・・・・・・・トイレ!?」
「や、吐くほどじゃないけど、胸焼けする・・・・・・・」
「吐く!!?じゃあここに吐いちゃって!!」
そう言って相葉が差し出したのは自分の両手。
「だから吐くほどじゃな・・・・・・・」
瞬間、月明かりの照明が消える。
「「え?」」
同時に声を上げ、見上げた先には。
「・・・・・・・松潤、生きてる?」
「・・・・・・・生きてはいる・・・・・・・」
「ニノも顔色最悪ですけど」
「・・・・・・・この中で普通でいられるのは翔さんくらいですよ・・・・・・・」
舌を出して、二宮は苦虫を噛み潰したような顔をした。
「・・・・・・・・・・・・・・」
何だかバカにされたような気がして、櫻井は黙り込む。
「・・・・・・・声は聞こえるけど、何かハッキリしすぎじゃねぇ?」
険しい顔のまま松本が呟いた。
「いや、声聞こえるの潤君だけだから」
「ハッキリしすぎて何言ってんのか解んねぇし!」
頭いてぇ、と、松本はイライラしているらしく、普段より口調が荒い。
「松もっさん、どっから声聞こえんの?」
「あぁ!?どっちってあっちだよ!」
機嫌が悪そうな口調ではあったが、松本は律儀に指さした。
「じゃあ行こう」
「「えー・・・・・・・」」
「えーじゃなくて。行きますよ、ほら。仕事でしょ」
声を揃えて不服を伝えた2人に屈する気配は微塵もなく、櫻井は二宮と松本の腕を掴んで、引っ張りながら歩き出す。
「あ・・・・・・・れ?」
「ん?どしたよ松本さん」
「・・・・・・・何かスッキリした・・・・・・・」
「それ、俺もです。やっぱ何かあるんじゃない?」
「かもしんねーな」
「・・・・・・・・・何が?」
「「こっちの話」」
二宮と松本のやり取りを聞いていた櫻井が首を傾げたが、2人は声を揃えて首を振る。
「可能性の話なんで言いません。違ってたら嫌じゃないですか」
「・・・・・・・・・・・・・さいですか」
「しばらくこの状態な」
「手繋いだままですか!!!?」
尊大な口調の松本に、櫻井が声を上げる。
「だって気持ち悪いの治ったから」
「なら離して大丈夫でしょ!?」
「離したら元に戻る気がするから。いいじゃん。減るもんじゃないし」
「いやいやいや、そういう話じゃないですよ、松本さん!」
「あ!!!」
言い合いを続けていた2人の声を遮って、二宮が声を上げた。
「「どうした、ニノ!!」」
慌てて二宮の方を2人で見ると、二宮が明後日の方向を見て困った顔をしている。
「キャプテンにピンチが迫ってるような気がするから、俺、キャプテンのところ行くね!」
何故か敬礼をしながら言うが早いか、白い塊が元来た方に戻っていくのが辛うじて見えた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・早っ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何だそりゃ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
青年が2人、手を繋いだまま真っ暗な廊下の向こうを見つめていた。
「キャプテーン」
「なにー?」
「訊いてもいい?」
「答えられることならー」
のんびりとした返答に、相葉は全力疾走を維持したまま、チラッと後ろを振り返る。
「何で・・・・・・・」
「“何で”?」
「何で追いかけてくるのコイツー!!!!!」
「きっと俺らが侵入者だからー!!!!!」
叫ぶ相葉に、対抗するような声を上げて大野が答えた。
全力で長い長い廊下を突き進む2人の背後には、天井にぶつかりそうになりながらも器用に追いかけてくる大蛇。
ぎゃあぎゃあ言いながら走る2人をさっきから追いかけてきている。
「もしかして俺らを食べるつもりかも!!!!」
「ぎゃー!!!!!氷焔っ、ひえ〜ん!!!!」
相葉が声を上げるとともに、その横手に犬の形をした炎のようなものが現れる。
【どうした、雅紀】
「後ろのあれっ!何とかしてっ!!」
【無理だ】
「えぇ!!!?」
【守り神として崇められてきた存在に勝てるわけがない】
「氷焔の役立たずー!!!!」
「犬神って神様じゃねぇの!?」
【普通の動物霊よりは強いとは思うが、神ではない】
「そうなの!!!?」
「相葉ちゃん知らなかったの!?」
「知らないよっ!!ぎゃー!!蛇に喰われて死ぬなんて一生ヤダー!!」
「・・・・・・・・・・・・しゃーない!かくなる上は・・・・・・」
「何か奥の手が!?」
意を決した声に、相葉が期待を込めて少し後ろの大野を振り返る。
「人間正直が一番」
全てを悟ったかのような顔をしてそう言った瞬間。
「よっ、と!」
大野は体勢を低くして、走る相葉に足払いをかけた。
「どわあっ!!!?」
【雅紀!!!?】
バランスを崩し、相葉は勢いよく前方に転がっていく。
「いっ・・・・・・何すんのキャむぎゅっ」
ようやく止まった相葉が、四つん這いの体勢のまま涙目で抗議しようとすると、今度は床に頭を押し付けられた。
「此の地の主よ!」
頭の上から高らかと声が響く。
何を言うのかと相葉が息を飲んだ瞬間、大野はこう続けた。
「ほんっとうにすみません!!
貴方様の土地を荒らしに来たわけじゃないんです!!見逃してください!!」
そして勢いよく額を床につける。
つまりは土下座の体勢をとった。
「謝るのかよ!!!」
「でも勝てない相手には素直に謝るのがベストだって」
「もしかしてそれも茂君!!?」
「うん。それと坂本君も。2人とも遠くの方を眺めながらの言葉でした」
その当時のことを思い出したのか、大野が遠くを眺めながらそう笑った。
「何があったの2人とも!?」
【貴様等】
突然声をかけられて、2人同時に声のした方に顔を向ける。
そして、そのまま固まった。
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
目の前には巨大な蛇の顔。
自分たちの置かれていた状態を少し忘れていた2人は、一気に現実に引き戻された。
【・・・・・・・・・貴様等、城島の家の者か?】
「「・・・・・・・・・・・・・・へ・・・・・・・・・・・・・・・・?」」
【金の髪の童よ、貴様は大野の血縁だな?耳に金具を着けた貴様は犬神憑きの逸れ者だろう?】
蛇がその縦に裂けた瞳孔開いて、大野と相葉を凝視してそう尋ねる。
2人が必死になって首を縦に振ると、間近にあった蛇の顔は距離を取った。
【何だ。今晩だったのか。城島の若造め。日取り位言いに来れば好いものを】
ため息混じりに、くぐもった声で蛇はそう言うと、高い天井を見上げる。
【・・・・・・・・・・・・・・・彼処にいるのも貴様等の連れか】
「どうする?」
恐らくは怪奇現象の原因があるだろう部屋に近付くにつれて、松本の表情が曇っていく。
心配した櫻井が声をかけると、大丈夫だと返事が返ってきた。
「ホントかよ」
「翔君と手繋いでるからまだマシなのかも。それほど辛くはないよ」
「もう戻った方がよくない?」
「大丈夫だって。仕事はちゃんとやらなきゃ」
ほら行こうよ、と手を引っ張って歩き出す松本に、櫻井はそれ以上何も言わずついていく。
確かに、この仕事も成功させて、早く当主以外の家の奴等に認められたい。
そうは思うが、そのために大事な仲間が無理してるのを見るのは嫌だ。
でも、目の前の男前は言い出したら聞かないし・・・・・・。
「・・・・・・・しょうがない・・・・・・・・・」
松本に聞こえないように小さく呟いて、もうすでに触れている程度になっていた手を強く握り締める。
「あ・・・・・・」
櫻井が手を握った瞬間周囲が明るくなったような気がして、松本は振り返った。
「ん?どうした、松潤」
「いや、何でもない。とりあえずこの先に何があるかだけ確認しようよ。奥行くほど空気淀んでんの」
「はいはい」
どうせ俺には判らないし、と思いながらも櫻井は素直に了承する。
櫻井の目には映ることはなかったが、確かに2人の周囲には霞みのようなものが立ち込めていた。
もしも自分1人だったら。
松本は周囲を眺めながらそう思った。
もしも自分1人だったら、きっとこの瘴気に当てられて死んでただろうなぁ。
「・・・・・・・・・強くなりたいな」
1人でもこんなところに来れるくらいに。
「んー?」
「何でもないよ」
よく聞こえなかったらしく首を傾げた櫻井に、松本は軽くそう答えた。
「翔君、この部屋メッチャ怪しい」
そして辿り着いた突き当りの部屋。
その部屋の扉の隙間から、どす黒い霞が滲み出てきているのが、松本の瞳には映っていた。
「ここ?」
「うん。多分ここが原因だと思うけど・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
櫻井が足を止めたから、松本も足を止める。
先ほどから気になってはいたのだが、いざ真ん前で止まると、消えていた気持ち悪さが戻ってくる。
長居してはいけないとは思うものの、やはりどこかに自分たちだけで解決したい気持ちがあった。
「いける?松本さん」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・行く」
「大丈夫?」
「気合で何とかする」
「よし、じゃあ開けるぞ」
松本の答えに、櫻井がドアノブに手をかけた。
ノブをゆっくり回すと、鍵がかかっていなかったらしく、耳障りな甲高い音を立てて扉が動き出した。
2人が危機を脱したことに気付いた瞬間のことだった。
【キャプテン!】
そんな声とともに大野に向かって白い塊が飛んできて、思わずそれを抱きとめた。
「ニノ!?」
【大丈夫!?ってか 目の前にいらっしゃるじゃないですか!!何してるんですか!!】
狐の姿に戻った二宮が大野に抱かれたまま振り返って声を上げる。
そして床に座り込んだままの2人の前に飛び出して、蛇に向かって毛を逆立てて威嚇を始めた。
【この2人に手を出したら許しませんよ】
【・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・永原の眷属か?】
【あのヒトは関係ありません】
「ニ、ニノ!ちょっと待って、大丈夫だから!」
かなりの体格差にも関わらずガンを飛ばす二宮を、大野が慌てて自分の方に引き寄せる。
【キャプテン!】
「いいの。ちょっとニノは黙ってて!すみません!気を悪くしないでください!!」
必死な様子で謝る大野の様子に、蛇は小さく笑った。
【気にする必要はない。別に獲って喰ったりはせん。・・・・・・・あぁ、この姿だと不便か?】
蛇はそう言うと、瞬間的に白い光に周囲を照らす。
3人が眩しくて目を閉じて開くと、目の前には、白地に原色で鮮やかな模様の入った着物を着流した女性が立っていた。
「「女なんですか!!!!?」」
「ん?此れでは不満か。面倒臭い奴等だな」
驚きに声をあげた大野と相葉に対して少し不満そうに呟くと、今度は、ポンと軽い音を立てて姿を変えた。
「ちっちゃ!」
「どうすれば満足するのだ、貴様等は」
「いえいえ!そ、それで構わないです!ありがとうございます!」
10歳くらいの子どもに姿を変えた守り神の機嫌を損ねそうな様子に、慌てて大野が頭を下げる。
「ほれ見ろ、狐。獲って喰う筈ないだろう」
【判んないですよ。蛇だって肉食じゃないですか】
「人など喰うか。穢れるわ」
敵意全開で毒舌を吐く二宮を、大野と相葉がハラハラしながら見ていた。
「それに、貴様等には悪いが、もう此の家は駄目だ」
「え?」
「大野の童、御前も感じただろう?彼岸の者ではない穢い者共を」
そう言って守り神は天井を見上げる。
「丁度此の上だ。・・・・・此代の者は強欲でな。様々な者から多くの物を奪っておる。
其の所為で恨みや呪いを受けてしまっていてな。流石に吾ももう守りきれん。
代を譲ろうと思っていた息子も殺されてしまった事だし」
「あ・・・・・・・・相葉ちゃんが言ってた・・・・・・・・・・」
「近々吾は此の地から出ていく心身だ」
「えっ?じゃあこの家の人は・・・・・・・?」
「其れは吾の知る処ではない。今は此所に居るが、アレを抑え込む事は吾には無理だ」
ため息混じりの言葉に、大野と相葉は天井を見上げる。
「・・・・・・・幽霊じゃないってのは判るけど、何なのかは判んねぇや・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・もしかして生き霊?これ」
「そうだ」
判らないと首を傾げた大野とは対照的に、相葉は眉を寄せた。
「あぁ、だからキャプテン影響受けてたのか!」
「何で相葉ちゃんは何ともないの」
「だって犬神と似たようなもんだもん、生き霊って。毒をもって毒を何ちゃら〜ってやつ」
「ふぅん」
少し納得いかない様子で大野が唸る。
「単なる怨み辛みの吹き溜まりだったなら良かったのだが、最近実体を持ち始めたから手に負えない。
ところで、貴様等良いのか?」
「へ?」
「何がですか?」
「貴様等の連れが彼処に入っているぞ」
「え!?」
「もう片方はよく判らんが、もう片方は危ないだ・・・・・・・」
守り神が最後まで言い切る前に、3人は走り出していた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・忙しない奴等だ」
猛スピードで角を曲がっていく姿を溜息をつきながら見送って、その姿を消した。
不意に寒気を感じて、少し左に避けた。
瞬間、それまでいたところを縦に何かが通り抜ける。
「!!!?」
ガっと鈍い音がして、それにも驚いて思わず尻餅をついた。
「・・・・・・・・・・なん・・・・・・・・・・・」
そして見上げて言葉を失った。
「松もっさん・・・・・・・・・・?」
視線の先、棒のような物を振りかぶった松本がいた。
「どわぁ!!!?」
もう一度振り下ろされたそれを慌てて避けて、そこかしこに並ぶ美術品の隙間を縫って逃げた。
「ちょ、アレ、さっきあった鎧に持ってた剣じゃん!!」
追いかけてくる松本の手元を見て、櫻井は悲鳴を上げる。
「何で・・・・・・・」
振り返って松本を見るが、何があったのかさっぱり分からない。
「さっき言われて手ぇ離したけど・・・・・・・・もしかしてまた何かが入ってるとかか!そうだな!そうだろー!!」
しかし思い当たった理由があって、納得しながら飛んできた何かをしゃがんで避けた。
「あー!!だから俺には何にも出来ねぇって言ってんだろー!!!」
逆ギレしながら、体勢を低くしたまま松本の足元に走り込む。
「苦情は後で聞くから、スマン!」
松本にそう叫んでから足払いをかけ、体勢を崩したところを腕を背側に回して床に叩きつける。
そのまま馬乗りになって、身動き出来ないように押さえつけた。
そして、口笛のような、甲高い音を響かせる。
これが聞こえていればそれほど時間がかからない内に3人が現れるだろう。
それまでこのまま押さえてなきゃ。
そう思って手の力を緩めることなく、そっと息をつく。
「・・・・・・・・・・・」
松本が怒りに顔を歪めて、櫻井を振り返った。
「・・・・・・・・・・・お前、誰だ」
「・・・・・・・・・・・・・・畜生め・・・・・・・離せっ・・・・・・・・・・・・・・」
聞き慣れた声とはまったく違う、低い声が松本の口から漏れる。
それに対して、櫻井は不機嫌そうに眉を寄せた。
「それはこっちのセリフだっつーの。出てけ」
「誰が出て行くか。こんな都合のいい入れ物を手に入れたのに」
苦しそうにしながらも、松本の身体を使ってにやりと笑う。
「我をこうやって力で押さえ付ける以外、何の力も持たない癖に、よく言うわ。
出来るものなら出してみれば良いではないか」
クツクツと咽喉を鳴らす。
挑発的なその態度に、元来短気な櫻井はキレた。
「あ゛あ゛!?もっかい言ってみやがれテメェ!!!」
松本の拘束を解くが早いか、器用に体勢をうつ伏せから仰向けに変えさせ、馬乗りになって首許を掴み上げる。
「ぐはっ!?」
「誰の了解得てコイツん中入ってんだこの野郎!!!」
その時、バアンと大きな音がして、部屋の扉が開く。
「松潤!!翔君!!」
扉の向こうから大野と相葉、人間の姿に戻った二宮が走って入ってきた。
しかし櫻井は気付いていないのか、怒声を上げ続ける。
「調子乗ってんじぇねーぞクソが!!!」
「翔ちゃんキレてる!!!」
聞こえた声に、相葉が悲鳴を上げた。
あまりの気迫に3人は入口で足を止める。
「俺のダチの身体ん中に勝手に入って使ってんじゃねー!!!」
そして櫻井がそう叫んだ瞬間、強い光が炸裂した。
「・・・・・・・・・・・・・・何があったんだよ」
気を失っている4人と呆然として座り込んでいた大野に、迎えに来た松岡が声をかける。
「・・・・・あー・・・・・・・・松兄ぃ」
「『松兄ぃ』じゃなくて」
「・・・・・・松もっさんが怨霊に乗り移られたのを、翔君がぶちキレて追い出したんだけど、
力が強すぎて相葉ちゃんとニノと、翔君も気絶しちゃった」
「はぁ?櫻井って何にも出来なかったんじゃなかったっけ?」
穏やかな寝息を立てている櫻井の顔をしゃがみ込んで覗き込んで、松岡は首を傾げた。
「茂君曰く、払う力を持ってるはずなんだけど、使いこなせてないって」
「で、暴走させたってか。ま、相葉は犬神憑きだからしゃーないか。ニノもまだ二又だしなぁ」
狐の姿に戻ってしまっていた二宮を摘み上げて、松岡は苦笑を浮かべた。
大野の横では相葉が目を回して倒れている。
「とりあえず車で迎えに来てもらうか。俺山犬の姿にはなっちゃ駄目だし」
そう言って、松岡は携帯電話を取り出した。
耳に当てて会話を始める松岡の声を聞きつつ、大野は倒れている3人を見る。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
少しだけ悔しそうな表情を浮かべて俯いた。
蛍光灯ではなく、ランプの少し暗めの明かりが部屋の中を照らしている。
寝巻きにしている浴衣を着た城島が、くだけた様子で大野を部屋に迎え入れた。
「おつかれさん。ようやったなぁ。生霊なんて相手したことなかったから、しんどかったやろ。
櫻井が暴走してまうとは思わんかったけど、まぁ家守さんも喜んではったし」
柔らかい笑顔で労いの言葉を投げかけられて、けれど大野は不満そうに唸っただけだった。
「ん?どうしたん?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・相葉ちゃん」
「相葉が?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・せっかく行く前に教えてくれたのに駄目だった」
「あらー・・・・・・。もー、あの子も・・・・・」
不貞腐れた様子の大野に、城島は溜息をついた。
「・・・・・・茂君は」
「ん?」
「誰が相葉ちゃんにあんなことさせてるのか知ってますか?」
じっと見据えてくる視線を受けて、城島が片方の眉を跳ね上げる。
「あんなこと、相葉ちゃんからはしません。だって約束したから。
もう一つの約束は守ってくれてるのに、この約束を守らないなんて絶対にないです。
だから誰かに言われてやってるに違いありません。でも相葉ちゃんは茂君じゃないと言いました。
茂君は知ってるんですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・例えば僕が知ってて、それを智に教えたとして、それを知って智はどうするん」
「止めに行きます」
その答えに城島は何も言わず、大野もそれ以上何も言わなかった。
少しして、城島が苦笑を浮かべる。
「残念ながら知らんよ。検討はついとるけど、不確定要素が大きいまま無責任には教えられへんしな」
「そっか」
むぅと唸りながら、大野は畳の上に仰向けに転がった。
「・・・・・・・・・・そういう権力とか、弾き飛ばせるくらい強くなりたいなぁ」
「それは智の努力次第やなぁ」
「うー」
「まぁ、赤点取っとるようじゃ駄目やろなぁ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
城島のその言葉に、ゴロゴロしていた大野が動きを止める。
「数学。赤点取ったんやって?智」
「・・・・・・・・・・・え・・・・・・・・・・・あ・・・・・・・・・・・・」
大野がぎこちない動きで起き上がると、綺麗な笑顔を浮かべて城島が大野を見ていた。
「ちょこ〜っと、説明してもらおかなぁ」
笑顔で詰め寄ってくる親戚の様子に、大野は本気で泣きたくなったのだった。
当初の予定からはかなりかけ離れて、かなり長い話になってしまいました(汗)
久々の気象だったので、口調が判らず、特にキャプと相葉さんが別人になってますが・・・・。
とりあえず、当主たちとはやっぱりレベルが違う、まだ半人前な5人ですので、
『強くなりたい』という気持ちをキーワードに書こうと思い、こうなりました。
この中で一番強いのは多分相葉さんです。ガチで戦ったら当主に敵う、かもというレベル。
相葉さんが何をしてるのか何でやってるのか、というのは、機会があれば書きたいなぁ。
松潤の体質にも触れることが出来たので、良かったです。
と、いうことで、お待たせしました!!
いかがでしょうか、匿名希望さま。
お気に召さなかったら書き直しますので、遠慮なくおっしゃってくださいね。
改めて、リクエストありがとうございました!!
2008/07/06